声が響くポイントを見つけよう|ボイスポジションと口腔共鳴で安定した歌声をつくる方法

「声を響かせる」「声をあてる」とボイトレでよく言われますが、実際にどうすればいいのか分からない…という方は多いのではないでしょうか。

実は、響きのある声のカギは ボイスポジション と呼ばれる「声を当てる位置」にあります。
この位置を理解すると、声がこもったり、喉声になったりする原因がわかり、ハリのある安定した声を手に入れやすくなります。

今回は、声の響きが生まれる仕組みと、口腔共鳴を活用したトレーニング方法を詳しく解説します。


ボイスポジションとは?

ボイスポジションとは、声を響かせやすい口の中のポイントのことです。
特に「上咽頭(じょういんとう)周辺」に声を集めると、自然に音が前へ抜け、明るく安定した響きが生まれます。

声は、まず声帯が振動してシンプルな音をつくり、次に口・のど・鼻の空間(=声道)を通りながら外に出ていきます。
このとき声道は「笛の管」や「ストロー」のようなフィルターの役割
をしていて、音の中の特定の高さ(周波数)を強めたり弱めたりしているのです。

この「音の一部を強調する働き」をフォルマントと呼びます。
フォルマントとは、声の中で特に強く響いている部分(周波数の山)のこと。母音が「ア」「イ」「ウ」と違って聞こえるのも、口の開け方や舌の位置が変わってフォルマントの位置が変化するからです。
つまり、フォルマントは声の色や個性をつくる大きな要素と言えます。

声道内での共鳴(響きの増幅や変化)は、声の音色や明瞭さを左右する大きなカギです。
「声をどこにあてるか」という感覚は、科学的にいえば声道の形をコントロールして響きを調整すること。これを理解すると、自分の声質をより自由に操れるようになります。


まずは「声をあてる」感覚を体験

「上あごに声をあてましょう」と言われても、最初はピンとこないかもしれません。
そんなときは、声をいろんな方向にあてて遊ぶ練習から始めてみましょう。

※すべて顔は正面を向けたまま発声してください。

  1. 奥に声をあてる — 「あー」(喉の奥に集めるような感覚)
  2. 前に声をあてる — 「あー」(前歯の裏や唇の方に音を運ぶ)
  3. 下にあてる — 「あー」(顔は正面のまま、声を下に落とすイメージ)
  4. 右にあてる — 「あー」(右側の人に話しかけるつもりで)
  5. 左にあてる — 「あー」(左も同じように)
  6. 上にあてる — 「あー」(頭の上や青空へ抜けていくように)

💡 最後の「上にあてる」で、声がスッと抜けたり明るく響いたりした方も多いはず。これが ボイスポジション に近い響きです。


上あご(軟口蓋)を意識する

声を安定させるには、軟口蓋(なんこうがい)の動きもポイントです。
軟口蓋は上あごの奥にあるやわらかい部分で、ここをほんの少し持ち上げると声の通り道が広がり、奥にこもらず前に飛びやすくなります。

ただし、意識しすぎると逆に喉奥に声が引っ込むことがあるので注意。あくまで自然に持ち上げるくらいでOKです。

プロの発声理論では、声帯は音をつくるソース、声道はその音を整えるフィルターと考えます。
この考え方をソースフィルター理論といいます。
わかりやすく言えば、声帯がブーッとシンプルな音を作り、声道(口・のど・鼻の空間)がその音を調整して響きを変えている、ということです。

たとえば軟口蓋(なんこうがい)をうまく動かすのは、このフィルターを細かく調整して声の響き方をデザインしているようなもの。
歌いやすく、心地よい声を作る上でとても大切なポイントです。


トレーニングの流れ

  1. まず今の声を確認
    「あー」とシンプルに発声して、響きの状態をチェックします。
  2. 声をいろんな方向にあてる
    奥・前・下・右・左・上へ声を向け、音色や響きの変化を体感します。
  3. 一番響く位置を見つける
    上方向で声がスッと抜ける感覚があれば、そのポジションをキープして「アー」と伸ばしましょう。
  4. 歌の中でも試す
    曲の一節を使いながら、声を上方向に集める感覚を取り入れていくと実践的です。

ボイスポジションを意識するメリット

  • 声がこもらず明るくなる
  • 高音が安定しやすくなる
  • 喉の負担が減り、長時間歌っても疲れにくい
  • マイク乗りが良くなり、カラオケでも響きが出やすい

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まとめ

響きのある声を作るには、喉だけで声を出さないことが大切です。
「ボイスポジション」を理解し、口腔共鳴をコントロールすることで、声に自然なハリと広がりが生まれます。

まずは「声をあてて遊ぶ」ことからスタートし、自分の響くポイントを探してみてください。声が安定する感覚をつかめば、歌う楽しさがぐっと広がります。

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